(真)日本の黒い霧

123便事件は世界の闇を照らす

魔法の電圧変換装置(トランス)は存在しない(2)

※この記事はコメントへの回答であると共に、(新)日本の黒い霧に掲載された電力送電系の記事「大電力送電の大嘘」、「北海道、嘘だらけの節電呼びかけ」の補足説明を兼ねています。また本ブログ前記事「魔法の電圧変換装置(トランス)は存在しない」の続きとなります。


前回記事の回答に対して「桜の樹になろう」さんに、引き続き次のような技術的質問を受けました。まずその質問内容を全文ご紹介します。

通りすがり #-


 長距離送電は不可能の記事。これは「日月土さんの勇み足(?)で間違い」でしょう。そんな事はありません。「長距離送電は(可能ですし)、また実際に行われて」います。魔法の電圧変換装置(トランス)は存在しない。の記事は「日月土」氏の考え方が誤り(?)だと思います。

(a)トランスの「1次側と2次側の電圧」は、トランスの「巻線比」で決まってます。
(b)トランスの「2次側の電流」は、2次側につないだ負荷(=抵抗の値)で決まります。
(c)トランスの「1次側の電流」は、2次側の電流に対応して決まります。

日月土氏の考え方は、上記(a),(b),(c)の考え方が間違いで、(電圧と電流を逆?)に考えてる様に思います。(彼が説明している内容を見る限りでは・・・・)
私自身は30数年間、発変電所で使う機器(変圧器や遮断機等)の製造会社に30年程勤めてました。(10年程前に退職)送電や配電の専門家ではないですが・・・・一応、「電験3種」は持ってます。


 Ira#さんの「高圧送電の本質はトランスのはたらきにある」の内容は(基本)正しいです。トランスの変換効率(昇圧、降圧とも)は、「殆どのトランスが96%~98%以上」であると言われてます。だから・・・・Ira#さんの説明は「トランスの損失(2~4%以下)を無視した説明」になっていると思います。


 確かに、1000V(=1kV)程度の電圧で「遠方への大電力送電」は損失が大き過ぎて実用的でないでしょう。以下の(1),(2),(3),(4)の4つの場合について、私が損失を計算(概略)してみた内容です。送電線の抵抗値は(導体抵抗率)×(長さ・km)÷(断面積・平方cm)での計算値。発電→昇圧(トランス)→送電線で送電(1~4条件)→降圧(トランス)→工場・家庭へのルート。


(1)「1000V(=1KV)」で10km離れた所に「100kWの電力を送電」した時は、
→(計算では)送電電流が100A、送電線の抵抗が3.44Ω(往復)なので、送電線のロスは「34.4kW」です。
→(昇降トランスのロスを100KWの2%)→2台で4KWのロスで、合計だと「38.4KW」のロス。
→(損失電力÷送電電力の比)は、「38.4kW÷100kW」で、送電での総損失は38.4%。

(2)しかし、「10000V(=10KV)」で10km離れた所に「100kWの電力を送電」した時は、
→(計算では)送電電流が10A、送電線の抵抗が3.44Ω(往復)で、送電線のロスは「0.344kW」です。
→(昇降トランスのロスを100KWの2%)2台で4KWのロスで、合計「4.344KW」のロス。
→(損失電力÷送電電力の比)は、「4.344kW÷100kW」で、送電での総損失は4.344%。

(3)今度は、「100000V(=100KV)」で100km離れた所に「1000kWの電力を送電」した時は、
→(計算では)送電電流が10A、送電線の抵抗が34.4Ω(往復)で、送電線のロスは「3.44kW」です。
→(昇降トランスのロスを1000KWの2%)2台で40KWのロスで、合計「43.44KW」のロス。
→(損失電力÷送電電力の比)は、「43.44kW÷1000kW」で、送電での総損失は約0.43%。

(4)さらに、「100000V(=100KV)」で1000km離れた所に「1000kWの電力を送電」した時は、
→(計算では)送電電流が10A、送電線の抵抗が344Ω(往復)で、送電線のロスは「34.4kW」です。
→(昇降トランスのロスを1000KWの2%)2台で40KWのロスで、合計「74.4KW」のロス。
→(損失電力÷送電電力の比)は、「74.4kW÷1000kW」で、送電での総損失は約0.74%


となる計算ですが・・・・いかがでしょうか(?)
という事で、(長距離送電は出来ず)「20km毎に地下原発が必要」はガセネタと思います。
地下原発の存在は(別目的=秘密の核兵器製造工場)の為なら・・・・あるかも(?)です。

 まずは、前記事を丁寧に読んで頂き、御礼申し上げます。全文をお読みしたところ、反論の骨子は

 「殆どのトランスが96%~98%以上」であると言われてます

の部分であり、(1)から(4)まで示された計算例も、それに基づいて示されていると解釈いたしました。すると、前記事で示させて頂いたインピーダンス計算は不要ということなのでしょうか?巻線比なども当然組み込まれてますよ。この計算、弱電系の交流回路では当たり前にやってることなのですが、強電系になると理論は不要になるのでしょうか?ちなみに、理論の要不要とスケールの違いによる効果の現れは全く別の問題だと指摘させていただきます。

なお、電流と電圧の取り違い云々ですが、高電圧送電を中心とした話なので、電圧をベースに論じているだけです。V=R・Iという一般法則から抵抗と電流が決まれば電圧が決まる、その逆もまたという単純な理屈です。尤も、この法則が崩れる事があるとでも言うなら話は別ですけど。

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写真は電力用変圧器


今回は、通りすがりさんに私の方から逆に質問させていただきます。またこれは、電験をお持ちの全ての技術者さんへの質問でもあります。

まず、

「長距離送電は(可能ですし)、また実際に行われて」います

とのことですが、発電から受電まで、どのように実際に確認したのか教えてください。その場合、送電経路内の複数かつ任意の測定点で公表通りの数値が得られなければ、実際に流れているとは断定できません。受電口のみの測定では中間の送電線を経由した証明にはなりませんので。私の想像ですが、そんなことを実際に確認した電験技師は一人も居ないのではないでしょうか?

次に、この反論を読むにあたり、結局のところ、トランスを介することによって、送電経路内にトランス自体の2~4%の僅かな負荷がかかるだけで、電圧が大きく上がり電流値が大きく下がるという、一般電気理論そのものを否定するとも思える現象が起こることを支持されているように見受けられます。それが、前記事引用サイトの言う"見かけ上の抵抗"というのであれば、その"見かけ上の抵抗”が如何なるものか、物理的なメカニズムを具体的にお示しください。当方、基礎的な電子工学、電磁気学は一通り学んでおりますので、数式は遠慮なくお使いください。 きっと、全国の高校理科教諭もその答を待っているかと思います。

最後に、

「20km毎に地下原発が必要」はガセネタと思います

とのことですが、思いは思いで受けとめます。私だって認めたくないのです。しかし、私たち技術者は思いや信条、個人的経験の前に理論に忠実であるべきではないでしょうか?もちろん、実測や深い議論によって理論の修正が行われることもあるでしょう。物理学の世界にも、修正すべきと思われる理論は幾つもあります。それを踏まえた上で、地下原発は私なりの論理的な帰結なのです。

なお、質問をしておいて何なのですが、1次側の磁束はいったいどこを通るのか、それを基点にお考えいただくと、双方納得できる結論が得られるのではないかと思います。


よろしくお願いします。


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管理人 日月土