今回の記事は、前回の記事「ニューシャトル事故-これは警告である」の続編となります。まず同事故に関する他の報道2点を転載します。こちらには、前回に比べ多少細かく事故の様子について書かれています。
<ニューシャトル脱線>加茂宮―鉄道博物館で走行路外れる 16日は終日運転見合わせ、17日の運転も未定
16日午前11時5分ごろ、さいたま市と伊奈町を結ぶ埼玉新都市交通(ニューシャトル、伊奈町)の加茂宮―鉄道博物館間で、走行していた上り電車(6両編成)の運転士が異常音を検知し緊急停止した。国土交通省などによると、ゴムタイヤがパンクして走行路から外れ、脱線していた。16日は全線で終日、運転を見合わせ、17日の運転は未定としている。けが人はいなかった。
運輸安全委員会は鉄道事故調査官3人を派遣、詳しい事故原因などを調べる。同社は調査結果を受けて復旧作業を開始するとしている。
同社によると、最後部6両目に付いているゴム製タイヤ4本のうち、前方左側がバースト、同右側がパンクし、6両目が傾いて止まった。レールの一部にも破損が見つかった。乗客約100人が約500メートル離れた鉄道博物館駅まで軌道上を歩いて避難した。
同社総務部は「お客さまから運転再開の問い合わせなど多くのお電話を頂いており、多大なご迷惑をお掛けしております。心からおわび申し上げます」としている。
引用元:埼玉新聞 http://www.saitama-np.co.jp/news/2019/01/17/01_.html
ニューシャトル、脱線の原因はタイヤのバーストとパンク_車両撤去と案内レール修復できょう14時復旧見込み
2019.01.17
1月16日11時ごろ、加茂宮と鉄道博物館の間で発生したニューシャトルの脱線事故。16日は全線終日運休し、きょう17日14時ごろに復旧見込み。
埼玉新都市交通は、当初17日11時30分に運転再開する予定だったのを、14時に延長。
この理由について同社は、こう伝えている。
車両のタイヤがバースト、パンクしたことにより車両の案内輪が脱輪。それにともない軌道設備の案内レールを支持している締結装置の固定ボルトが変状。
復旧作業は、車両の撤去、案内レールの修復を行っている。締結装置の固定ボルト(案内レール下部)に変状が生じ、脱着に時間を要するため運転再開見込みを変更した。
引用元:鉄道チャンネル https://tetsudo-ch.com/4127977.html
この報道内容はおそらく当局発表のままでしょう。これが事実であると仮定して、事実関係を抜き出すと次のようになります。
・バースト(破裂)したのは最後部6両目の前方左側タイヤ
・同6両目前方右側タイヤはパンク(空気抜け)
・案内軌条の一部に破損(固定ボルトの変状)
・案内輪の脱輪
・復旧まで24時間以上かかった
■タイヤバーストは事故原因ではない
一般自動車の場合、次の要因を抱えたまま長時間高速走行するとタイヤバースト事故が起きやすいとされています
・タイヤゴムの劣化
・空気圧の不足
要するに、空気圧の不足による振動エネルギー、長時間走行による摩擦熱からの熱エネルギーなどが劣化した状態のタイヤに大きな負荷を掛け、内圧に耐えられずバースト(破裂)に至るというものです。タイヤに穴が空いて空気が抜けるというパンクとは全く異なります。
以上に鑑みて、ニューシャトルでタイヤバースト事故が起きる要因となるものを列挙してみます。
1)タイヤの整備不良(空気圧・ゴムの劣化状況)
2)高速走行
3)長距離連続走行
仮にも公共輸送機関ですから、日々の整備点検は規定通り行われていたと信じたいです。しかし、万が一整備状況に不備があったとしても、地域の足という新交通システムの性質上、次の条件下で走行していますから
・高速走行は行わない (せいぜい60km/h程度まで)
・長距離連続走行は行わない (各駅間1kmほどの12.7km区間を各駅停車)
タイヤに何か重大な破損が起きたとしても、ゴムに亀裂が入るなどパンクする程度で収まると考えられます。つまり、車体を揺らし案内軌条を外れさせるほど大きなエネルギーの「破裂」が、タイヤの問題で起きたとは物理的に考えにくいのです。よって、「破裂」によりタイヤと軌条を大きく破損させた原因は、タイヤの外部であったと推察されるのです。
これを裏付けるのが、右側のタイヤのパンクです。整備不良で両タイヤの状態が良くなかったとしても、同時に両輪が破損する確率は極めて低いでしょう。左側タイヤの構成物の破片が影響を与えたとしても、バーストならばゴムが破裂する空気圧以上のエネルギーはありませんから、何か部品が飛び散っても、数メートル離れた向かいのタイヤを貫通するほどの運動エネルギーがあったとは考えにくいです。両輪の同時破損を説明する時、大きな外部エネルギーの影響とするのが最もスムーズです。そして、破損の程度の違いから、左側のタイヤの近くで何かが「破裂」したと考えるのが自然です。それならば、案内軌条の大きな変状も合わせて説明できます。
以上より次の結論が導けます
タイヤバーストは事故原因ではない
すると、埼玉新都市交通はもちろん、調査に入った国交省の運輸安全委員会も共に真実を語っていないことになります。
■ニューシャトルは直流で動いている?
前回の記事でも少し指摘しましたが、私が気になるのは、ニューシャトルの軌道と平行して設置された電車線です。埼玉新都市交通の公式ホームページによると、ニューシャトルは三相交流で走っているとか。
公式ホームぺージ (1/18キャプチャ)
そして、次の写真で示すとおり、たしかに碍子(がいし)に支えられた金属線が3本、案内軌条と共に張られています。おそらくこれが、三相交流の各相を通電しているのでしょう。ここまではいいです。
三本の電車線(青線)と案内軌条(赤線)
電気に詳しい方ならもうお気づきだと思いますが、これはちょっと変なんです。何故なら、ニューシャトルは車体構造上、この電車線には接触していません。
車体は案内軌条しか接触してない
地面とはゴムタイヤで接触していますから、集電するとしたら、案内軌条を通してとしか考えようがないのです。しかし、三相交流による電車の集電とは、通常次のような形態を取るのが当たり前なのです。
三相交流集電パンタグラフ(Wikipediaより)
各相独立に集電装置がある
三相交流の原理から言って、位相の異なる交流電源を一つの線に集線すると、位相間の干渉が発生し、まともな波形で電力を送れません。とても実用の電力になるとは思えないのです。
この疑問について、知人の鉄っちゃん(鉄道ファンの)に話を聞いたところ、二人の間で次のような会話が交わされました。
知人 :何言ってるんですか、ニューシャトルは直流モーターで動いてるんですよ
日月土:いやホームページに三相交流と書いてるし、実際に電車線が3本張られているよ?
知人 :あれっ?開業当初は直流だったはずなんだけどな?新車両に入れ替えた時に交流に換えた?路線は短いし、やろうと思えば1日で換装できなくはないだろうけど・・・
なんと、知人の記憶では、開業当初は直流で動いていたとか。そこで、Wikiで今回事故を起こした2000系車両について記述を見ると
制御装置
制御装置には東洋電機製造製2レベルIGBT-VVVFインバータ装置(RG-697-A-M形)によるVVVFインバータ制御を採用しており、三相交流をコンバータにより直流に変換後、VVVFインバータ装置で三相交流に変換して誘導電動機を制御する。主電動機は交流三相かご形の誘導電動機であり、型式はTDK-6450-A(端子電圧700V、電流133A、周波数55Hz、出力125kW、定格回転数1,610rpm、効率91.5%、力率85%)である。
以上のとおり、三相交流で集電しコンバーターを通しているとあります。なお、これより旧い1000系車両については、制御装置の記述はありませんでした。
しかし、車体が三相交流で集電してるなら、独立した集電装置が二つは必要なはずです。それなのに接触する軌条が案内軌条一つだけなのはいったいどういうことなのでしょうか?電気理論的な原理を優先すれば、また、運用中の交通機関の電力供給形態を、車両に合わせてわざわざ換装するなんていう非効率なことは通常あり得ないとすれば、今も昔も
ニューシャトルは直流で動いている
のが事実ではないかと思われます。つまり、埼玉新都市交通は公に嘘をついてることになります。そうなると、軌道に取り付けられた3本の電車線は何なのかとなりますが、恐らくそれは
存在を知られたくない電力供給線
ということなのでしょう。つまり偽装の電車線だということです。
※左右の案内軌条でそれぞれ2線という考え方もあります。その場合はスペック通りの三相交流かもしれません。しかし、それなら3本の電車線をわざわざ併設する理由は何でしょうか?
■事故原因は偽装電車線の放電
この偽装電車線、おそらく最大数千ボルト程度の高圧電線なのでしょう。昼間などは車両も通るので電圧は低く抑えているかもしれません。しかし、夜間になどは高電圧で送電していると考えられます。
今回の事故は、おそらくこの制御が何らかの理由で失敗し、電車線間、もしくは案内軌条との間に過大な電位差が生じ、
一気に放電した可能性が最も高い
と考えられます(小規模な落雷と同じ)。
事故処理に異常に時間がかかったのも、次の二つの理由が大きいと思われます。
・電車線偽装が知られないための情報工作に時間を要した
・電力制御エラーの原因究明に手間取った (分からないと動かせない)
ボルトを外して軌条を交換するのに丸一日もかかるはずがありません。民間私鉄なら一晩の間に終わる仕事です。埼玉新都市交通も、国も、マスコミも、国民に知られたくない何かを隠しているのです。
本件に関する次の記事では、彼らが必死に隠そうとしているその「何か」について書きたいと思います。前回触れた「警告」も、実はこの「何か」に大きく関係しているのです。埼玉県大宮駅近郊にお住まいの方は、充分離れた場所に引越し先を探しておいた方がいいかもしれません。
これは、事故現場の西側1km程の地点に陸上自衛隊大宮化学学校があることと大いに関係します。
二の年に記す
管理人 日月土