※この記事は(新)日本の黒い霧「陽電化する日本人(2)-世界滅亡前夜」の補足記事となります。
TV映像、また水族館などで、魚の群れがとほとんど衝突もせず、まるで大きな一つの生物のように、塊になって水の中を移動するシーンをよく見かけます。そして、その群れの魚たちは、ある時、ほぼ瞬間的に同方向へ方向転換することも私たちは知っています。実は、あれはとっても不思議な現象なのです。
かつて、大学で生物学を学んでいた時、解剖実験が大好きな教授から、確かカエルだったと思いますが、実測した神経の伝達速度を教わりました。それが、そんなに速くなく、だいたい 10m/s。時速に換算すると36km/h 程度になります。原付バイクの制限速度よりちょっと速いくらいです。
魚は、目ではなく、側線で周りの状況を感知すると言われてますが、感覚器が周囲の変化を捉え、筋肉を動かすまでの経路の長さを20cmとしたとき、脳内処理の時間を考慮せず、カエルの神経とほぼ同じ伝達速度だと仮定すれば、伝達時間は0.02秒掛かる計算になります。
周囲の魚の動きを見て次々に個々の魚が運動を変化させると考えた時、最初に動きを変えた魚の後に10匹続けば、初めと最後の魚の動きの時間差は
0.02 × 10 = 0.2 秒
まあ、私たちの目からはほぼ瞬間的と見えるでしょう。しかし、ここではそんな小さな群れを対象としてませんから、少なくても100匹くらいは後ろに続くと考えることにします。すると、最初と最後の時間差は
0.02 × 100 = 2 秒
となり、これは誰の目でも捉えられる程大きな差となります。大きな群れとなるほど、最後組の遅延は顕著になるはずなのですが、現実にはそれほど大きな差は認められないようです。
実はこの問題を解決するのが、魚は群れで行動する時、個体外部から何か共通の指示信号を受けているという考え方です。同上記事では血液中のNICが、地磁気のパルス信号を受けて集団で生体維持運動を行っているとの説を紹介してますが、同じように、魚も強大な外敵が現れるなど危険な状況に陥った時、危険回避の指示を、外部の情報処理系に預け、そこからの一斉送信を受けて集団で対処するという処置を取っているのではないでしょうか?
私が強調したいのは、人間を含む生物とは、食べ物と水と空気だけで生きているものではなく、
外界からの情報
を取り込むことによってこの世界に適応しているのではないか、ということです。そう仮定すると、「散弾銃を石に向け撃ったらビーナス像ができるくらいの確率」と言われている進化の謎も解けるかもしれません。そのような生物全体を司る情報ネットワークのことを、私は生命圏(せいめいけん)と呼んでいます。
一つの魂(=独立天体)は本来孤独で未熟な存在ですが、広大な生命圏と接続することで、かりそめの肉体を維持し、そして外の世界を学んでいるのかもしれません。
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