都内の大学に在籍していた頃、統計学の教授がこんな話をしていたのを今でも覚えています。
「冬の東京の天気は『晴れ』と言ってればほぼ8割の確率で当たるもんだ。」
確かに、その頃は下手に予報などするとかえって外れるものだと思っていました。関東の冬と言えば毎日晴天が続き、天気予報番組では晴れマークの表示がほとんどで、天候よりもむしろ乾燥や火事に注意するよううるさく言ってたものです。
ところが、ここ数年、東京の冬の天気が大きく変わってきたようです。感覚的にはスカッと晴れる日が極端に減ったように感じます。気になったので気象庁の過去データから、1970年から昨年まで、5年毎の東京の12月の天気を調べてみました。
1970~1985年までの東京の12月の天気
1990~2005年までの東京の12月の天気
2010~2019年までの東京の12月の天気
1970~2019年までの東京の12月の晴天日数推移
簡単のため「晴」と「快晴」のみ記録された日を晴天の日としています。年が進むにつれて天候の記述の種類が増えてくるのですが、もしかしたら表記の基準が途中で変わったのかもしれません。しかし、昔に比べ最近はクリアな晴れマークが減っているという感覚には妙にフィットするのも否めないところです。
平均気温も確かに高くなっていますが、高層ビルなど建築物による変化の激しい都心での測定のため、必ずしも自然環境の変化のみを正確に表しているとは言い切れません。その点、晴天日数の変動の方が全環境的な気候の変化を正確に表しているのではないかと思われるのです。
今年も関東周辺のスキー場で雪が少なく、スキー場は苦労しているとニュースに流れたりしますが、ちょっと気になるのは、こういう身体に染み付いた季節感と実際の天候が異なる時に決まって叫ばれる
地球温暖化
の大合唱が、今年はなぜかあまり聞こえてこないのです。数年前、マスコミが狂ったように連呼していた温暖化コールはどこに消えてしまったのでしょうか?もう地球さんに優しくするのは止めてしまったのでしょうか?
私は温暖化の議論には根本的な誤りがあると考える口ですが、スカッと晴れない関東の冬には一抹の寂しさを覚えます。気象庁さんもマスコミさんも、冬の関東から晴天が減ってしまった理由なりメカニズムを、ぜひお得意の地球温暖化で説明して頂きたいと思います。見通し良く晴れてもらわないと、日の出日の入りの時刻を正確に観測できないからという実際的な理由もあるのですが。
三の年に記す
管理人 日月土